「ブラック企業」という言葉は、誰もが知っているくらい浸透してきました。
では「ブラック企業大賞」という言葉を知っていますか?
ブラック企業大賞とは、その年、不祥事を起こした企業に対して行われるイベントのことです。
このブラック企業大賞では、大賞をはじめ、各特別賞やノミネート企業一覧も実名でランキング発表されます。
そして、誰もが知っている超大手有名企業ばかりがノミネート、受賞がしています。
今回は、2019年の「ブラック企業大賞」について詳しく紹介していきます。
これから転職する人や、新卒で就職する人にとっては「絶対に避けるべき企業」はどこなのか分かるので参考にしてみて下さい。
ブラック企業大賞とは?
まず最初に、ブラック企業大賞について詳しく説明しておきます。
ブラック企業大賞とは
誰もが安心して働ける環境をつくることをめざして、2012年より設立された「ブラック企業企画委員会」によって毎年12月に行われてるイベントのことです。
この「ブラック企業企画委員会」というのは、NPO法人関係者、大学教授、弁護士、ジャーナリストから結成されています。
素性が知れない人ではなく、ちゃんと権威ある人たちばかりで成り立っている団体なんですね。
ブラック企業大賞ノミネートの理由
では、無数に存在する企業の中から、どうやってブラック企業だと判断するのでしょうか?
「ブラック企業大賞企画委員会」がブラック企業だと見極める基準を公式で発表してます。
その基準とは以下の11項目です。
長時間労働
セクハラ、パワハラ
職場内のいじめ
長時間過密労働
低賃金
コンプライアンス違反
育休、産休などの制度
労働組合への敵対度
派遣社員への差別
派遣社員への依存度
残業代の未払い
これら基準に多く該当すると、ノミネートされやすいそうです。
また、ノミネートされるのは、企業の他に法人(学校法人、官公庁、公営企業、社会福祉法人、医療機関など)も含まれます。
ちなみに、自分が長年ブラック企業を渡り歩いてきた経験から
「ブラック企業の特徴」を下の記事にまとめたので合わせて参考にして下さい。
ブラック企業大賞ランキング決定までの流れ
次に、ブラック企業大賞ランキングがどのように決まるのか?
実際に、受賞までの流れを以下にまとめます。
①実行委員会が審査基準を元に10社程度ブラック企業大賞候補をノミネートする。(記者会見あり)
②ノミネート企業には事前に受賞式当日の招待状が送られる。
③ノミネートされた企業はWebサイトにも掲載され、同時に「Web投票賞」のための一般Web投票が始まる。※Web投票賞は受賞式当日に参加者による「投票タイム」も設けられる
④受賞式当日、各賞の結果が発表される。※Web投票賞以外の賞は実行委員会によって選定される。
簡単ですが、受賞式までの流れはこんな感じです。
ランキングにノミネートされた企業には、招待状が送られますが、基本的に受賞式に出席する企業はいないそうです。
なので、勝手に代理を立てて、勝手に表彰が行われています…笑
名誉毀損で訴えられないの?
委員会によってノミネートされた企業は、ブラック企業だと公表されたことにより、名誉毀損で訴えてこないのか?
公表されたことにより、応募が減り、営業妨害だと考える企業もありそうですよね。
しかし、企業が委員会側を訴えたところでメリットが全くないんです。
そもそも労働基準法に反していることで公表されているため、世間は「やましいことを隠していた企業」という認識をさらに強めてしまうだけなんです。
大手有名企業だと尚更ですよね。
有名企業ばかり!「ブラック企業大賞2019」ランキング一覧
ではでは、2019年のブラック企業大賞に輝いたのはどこの企業なのか?
その他のランキング入りした各賞の企業一覧と合わせて紹介していきます。
ブラック企業大賞:三菱電機株式会社
2019年12月23日、ブラック企業偏差値の高い「ブラック企業大賞」が発表されました。
大賞を受賞したのは、「三菱電気株式会社」です。なんと初の2年連続の大賞受賞です。
ブラック企業大賞2019、「吉本興業」「長崎市」などがノミネート企業に https://t.co/Ifou61qRB5
— ブラック企業大賞 (@black_award) December 23, 2019
受賞の主な要因は
「多くの男性新入社員が過労死したこと」
です。
さらに、2014~2017年には技術者や研究職の男性社員5人が長時間労働で労災認定され、うち2人が過労死に至りました。
委員会側も「あまりに異常なことが起きていると言わざるを得ない。悲しみと怒りを込め、大賞として表彰する」という発言を残しています。
以下、委員会がノミネートの理由として公表している文章になります。
三菱電機株式会社は、家電から発電機まで様々な電気製品を製造するメーカー企業であり、我が国の代表的な大企業である。また、メルコセミコンダクタエンジニアリング株式会社(以下「MSEC社」)は、三菱電機パワーデバイス製作所(福岡市)内に本社を置く三菱電機の子会社であり、MSEC社の役員の過半数は、三菱電機の社員であるという。
報道によると、2017年末、MSEC社では、当時40代の技術者が自死し、2019年10月に但馬労働基準監督署(兵庫県豊岡市)によって長時間労働による労災であると認定された、とのことである。三菱電機グループでは、2014年以降に、社員が自死したり精神障害を発症したりしたケースが判明したのは、これで3人目となる。また、三菱電機では、2014年~17年にシステム開発の技術者や研究職の男性社員5人が長時間労働が原因で労災認定され、うち2人が過労自死だったことも報道されているところである。引用元:ブラック企業大賞
Web投票賞:楽天株式会社
一般Web投票による、Web投票賞には「楽天株式会社」が選ばれました。
楽天といえば、2019年に起きたパワハラ問題ですよね。
2016年、男性社員が社内でパワハラを受け、相談部署に掛け合ったが相手にされず、配置転換の希望も受け入れられなかったため、暴行の1ヶ月後に退職に追いやられました。
しかもその際の暴行で、頸髄を損傷し、さらにうつ病を発症して現在も療養中とのことです。
ネット通販「楽天市場」として、多くの人に馴染みのある有名企業だけに、一般のWeb投票で賞を受賞した結果となりました。
特別賞:株式会社電通
特別賞には「株式会社電通」が選ばれました。
電通といえば、労働基準法違反を頻繁に起こしている企業として有名ですよね。
衝撃的だったのが、2015年に新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が自殺したことで、翌年に労災認定されています。
他にも過去何人も自殺者がでており、2017年には労基法違反の有罪判決が確定しています。
過去の2016年には「ブラック企業大賞」を受賞した経歴もあり、間違いなくブラック企業だと言えます。
その後改善が見られず、再び複数の違法行為により労基署より是正勧告を受けたことが、特別賞の受賞要因となりました。
特別賞:株式会社セブン-イレブン・ジャパン
もう一つの特別賞には「株式会社セブン-イレブン・ジャパン」が選ばれました。
セブンイ-レブン・ジャパンといえば、日本最大のコンビニチェーン「セブンイレブン」の運営企業ですよね。
受賞の決め手となったのが、1978年から70年もの間続いていた残業代未払い問題です。その額、遅延損害金を含めて4億9000万円にも上るそうです。
アルバイトやパートらの非正規社員から何年もの間、残業代を搾取し続け、隠蔽してきたという事実。ブラック企業の偏差値高すぎますね。
#MeToo賞:長崎市
セクハラや性的暴行の被害体験を告白・共有するときに、SNS用語として使われるようになった「#Metoo」
それを表す「#Metoo賞」に選ばれたのが「長崎市」です。
長崎市といえば、市の女性職員に対する性的暴行で話題となりましたよね。
2007年7月に女性記者に対して長崎市役所部長が性暴力を振るった事件や、2014年に日本弁護士連合会において「職務上の優越的地位」を乱用して、女性記者に対して性暴力を振るった事件が、受賞の理由になっています。
歴代の「ブラック企業大賞」を授賞した企業一覧
2019年のブラック企業大賞と、その他各賞の受賞の企業を紹介してきましたが、過去はどんな企業がブラック企業大賞を受賞してきたのでしょうか?
過去の大賞を受賞した企業の名前を載せておきます。
過去のブラック企業大賞一覧(2012~2018年) | |
2012年 | 東京電力株式会社 |
2013年 | ワタミフードサービス |
2014年 | 株式会社ヤマダ電機 |
2015年 | 株式会社セブン-イレブン・ジャパン |
2016年 | 株式会社電通 |
2017年 | 株式会社引越社・関東・関西 |
2018年 | 三菱電機株式会社 |
「その他の歴代受賞&ノミネート企業」について知りたい人は、下の記事にまとめてあるのでよかったら参考ください。
自分の会社が「ブラック企業」だと感じたら絶対に取るべき行動
今まで紹介してきたブラック企業は「氷山の一角」にすぎません。
悲しいことに世の中は、まだまだブラック企業ばかりです。
もしも、自分の会社が少しでもブラックだと感じたら、絶対にやっておいてほしいことがあります。
それが
「会社からいつでも逃げられる準備をしておくこと」
です。
手遅れになってからでは遅いので、準備だけは絶対にしておいたほうがいいです。
でも何をすればいいのか?
詳しくは下の記事にまとめたので参考にして下さい。
記事は以上になります。
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