社畜とは本来、サービス残業や休日出勤などの長時間労働を強いられ、会社の奴隷と化した状態のサラリーマンを侮蔑する言葉として生まれた造語です。
しかし、最近ではネタ的な意味合いや、自慢する意味合いなど、身近な言葉として気軽に使われたりします。
そんな風潮もあってか、最近になって「家畜」を題材とした漫画が続々と出版されています。
その内容は、社畜の日常をリアルに描写しており、現実の自分と重ね合わせて共感を得られるものが多く、若い世代を中心として人気を集めています。また、コメディタッチな作品も多いので、社畜ではない人でも充分に楽しめるものになっています。
ブラック企業に勤めていたこともあって、僕も数年前からこの「社畜漫画」にはまってしまい、たくさんの社畜漫画を読みました。
なので今回は、数多く出版されている社畜漫画の中でも、これはおすすめだという作品を厳選していくつか紹介していきます。
気になっている人はご参考ください。
ブラック企業あるあるが満載!おすすめのおもしろ社畜漫画を紹介

では早速、おすすめのおもしろ「社畜漫画」を紹介していきます。
今回、厳選して紹介するのは、以下の8つの作品です。
『社畜が異世界に飛ばされたと思ったらホワイト企業だった』
『いきのこれ!社畜ちゃん』
『うさぎ目社畜科』
『社畜!修羅コーサク』
『ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話』
『会社員でぶどり』
『僕たちはもう帰りたい』
『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと』
では、それぞれを詳しく紹介していきますね。
『社畜が異世界に飛ばされたと思ったらホワイト企業だった』

1つ目の作品は「社畜が異世界に飛ばされたと思ったらホワイト企業だった」です。
高校卒業後に都内のブラック企業「ブラックシステム」に就職してしまった女性、粕森美日月は、偶然見つけた流れ星に「有給休暇を1日だけ欲しい」と願ったところ、進路を変えた流れ星に当たり気を失い、気付くとそこは、ホワイト企業「ホワイト製作所」ぐんま支店でした。
仕方なくホワイト製作所で働き始める柏森は、ブラック時代の常識に馴染みすぎてしまったせいで、最初はホワイト企業の常識に戸惑いますが、その生活にだんだんと馴染んでいきます。
この作品の個人的なおすすめポイントは以下の2点です。
ブラック企業のリアルな現実をゆるふわに描いていて楽しい
女性キャラが多く魅力的
この漫画は、ブラック企業のあるあるをネタが多く、ついつい自分のブラック企業時代と重ねてしまいました。しかも社畜の人には辛いはずのエピソードを、可愛い女性キャラをゆるふわに描くことにより、癒されながら見ることができるのでおすすめです。
現実のブラック企業と比べると、若干いきすぎで非現実的なネタも中にはありますが、魅力的なキャラクターも多く、そこは漫画と割り切れば非常に面白いです。
この漫画は頭を空っぽにして読むことをおすすめします!めちゃめちゃ癒されます。
『いきのこれ!社畜ちゃん』

2つ目の作品は「いきのこれ!社畜ちゃん」です。
都内にあるブラックなIT企業で働くSE(システムエンジニア)の社畜ちゃんが、人をおっぱいでダメにする先輩さんや、元気だけで採用された後輩ちゃんなど個性豊かな同僚と共に、日夜終電や無茶な発注と戦っていく様子をコミカルに描いた作品です。
この作品の個人的なおすすめポイントは以下の2点です。
キャラが可愛いのでブラックユーモアも楽しく読める
IT業界のブラックな面がコミカルに楽しめる
この漫画は、元々ツイッターやWEBで掲載されていたものを、後にコミックとして発売されました。(一部コミック限定の内容あり。)
こちらの漫画も「社畜が異世界に飛ばされたと思ったらホワイト企業だった」と同様に、主人公が女性なのですが、違う点として、主人公の職業がSE(システムエンジニア)ということです。
SEということで、IT業界のブラックな労働環境にスポットを当てているので、SEの人だとより一層楽しめますが、そうでない人でも全然楽しめます。
キャラクターに関しても、主人公の社畜ちゃんの他に、先輩さんや後輩ちゃんなど、個性的な可愛いキャラが登場するため、内容はめちゃめちゃブラックなのに、読んでいて思わず笑ってしまう作品になっています。
ツイッターやWeb上で作品の一部が無料で見れるので、興味がある人は見てみて下さい。
『社畜!修羅コーサク』
3つ目の作品は「社畜!修羅コーサク」です。
武辣苦(ブラック)商事の東京本社に務めるサラリーマン、図画コーサクが、修羅の国と呼ばれる無法の都「墓多(ハカタ)」に左遷されるところから物語が始まります。
暴力が全てという墓多で多くの洗礼を浴びるコーサクだが、持ち前のスピリッツと社畜で培ってきた技を武器に困難を乗り越えていくストーリーです。
この作品の個人的なおすすめポイントは以下の2点です。
主人公がブラックな無理難題を絶妙な技で切り抜ける様が面白い
シュールなギャクと作画がマッチしている
題名を見ればお分かりかと思いますが、この漫画のタイトルは、某有名サラリーマン漫画・課長〇耕作を思いっきりパクっています笑 ちなみに、第1巻の帯には元ネタの作者弘兼憲史から「私は許したから、みなさんも許してやってほしい」という推薦文が寄せられていることから容認はしているみたいです。
漫画の舞台ネタとなっている福岡県福岡市の文化や生態を、戯画化した内容となっていることから、分かる人には馴染み深い作品に仕上がっています。
毎回、主人公がブラックな無理難題を突き付けられるのですが、それを社畜生活で培った精神と技で華麗に切り抜ける様はシュールでめちゃめちゃ面白いです。
絵に関しては、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、ワンカットで笑わせる画力は非常に素晴らしいです。
『うさぎ目社畜科』

4つ目の作品は「うさぎ目社畜科」です。
ブラック企業で社畜として生活する津田真司郎の部屋に、月からリストラされた謎のうさぎ、ふわみが飛び込んできたところから物語は始まります。
働かないと死ぬというふわみに押し切られ、社畜が社畜を雇うという少し変わった脱力ブラックコメディです。
この作品の個人的なおすすめポイントは以下の2点です。
ドジで健気なうさぎの社畜っぷりに癒される
設定が奇抜でストーリーも面白い
この漫画は、主人公のウサギが表情や仕草が健気でとにかく可愛いの一言に尽きます。行動は社畜そのものでブラックな内容もありますが、作風が可愛らしいので、脱力系のブラックコメディタッチに仕上がっています。
また、社畜が社畜を雇うという設定は奇抜な発想で、非常に面白いです。ネタも一つ一つが凝っていて、バリエーションが豊富ですね。
よつばとなどの、脱力系漫画が好きな人にはおすすめできる漫画だと思います。
『ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話』

5つ目の作品は「ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話」です。
猫になった主人公が、ブラック企業をホワイト化していく癒し系コメディです。激務、長時間労働、薄給と三拍子揃ったブラック企業で働いていた主人公のモフ田は、ある朝目覚めると猫になっていました。
とりあえず猫の姿で出社した彼の姿に周囲は驚くが、猫という姿もあり、ブラックな人間関係は修復されていき、会社も福利厚生の充実したりと徐々にホワイト化していくのであった。
この作品の個人的なおすすめポイントは以下の2点です。
エッセイ風なので気軽に読むことができる
ブラック企業が主人公の猫によって徐々にホワイト化される様が癒される
この漫画は、元々ツイッター上で掲載されており、その後話題になりコミックス化されました。
社畜サラリーマンでしたら、読んでいると思わずニヤリとしてしまう作品です。しかも全編フルカラーで、話も1~2ページ程度で完結していくエッセイ風に仕上がっているため気軽に読むことができます。
絵柄も非常に綺麗で、優しいタッチなので、読んでいて非常に癒されます。
猫が好きな人や、ほのぼの系が好きな人には是非おすすめしたい作品です。
会社員でぶどり

6つ目の作品は「会社員でぶどり」です。
主人公のでぶどりは、ブラック企業入社してから10年、後輩のひよは入社してから4年経過していた。でぶどりたちはブラックな職場と気付きながらも働き続けていた。
しばらくして、会社に働き方改革の波が訪れたが、それは名ばかりで、サービス残業が増えるだけであった。後輩のひよは異常な職場に嫌気がさして退職を決心し、その後でぶどりもひよに背中を後押ししてもらい、なんとかブラック企業を退職する決心をする。
この作品は「社畜編」「転職活動編」「アルバイト編」「正社員編」の4部構成になっており、でぶどりたちのブラック企業からホワイト企業への道のりを描いています。
この作品の個人的なおすすめポイントは以下の2点です。
イラストがとにかく可愛い
社会問題をうまく取り入れていてためになる
この漫画は元々、ツイッター、インスタグラム、ブログで2018年からほぼ毎日に渡って掲載されていました。
登場人物は全員鳥で、イラストはとても可愛らしく、コミックエッセイ風に仕上がっているので気軽に読むことができます。
内容に関しては、ブラック企業に勤めている人なら思わず頷いてしまうようなリアルなものが多かったり、社会問題をうまく取り入れていたりするため、面白いだけでなく、人生の勉強にもなり、とても為になる作品に仕上がっています。
ツイッターやインスタで気軽で読むことができるので、気になる人は是非読んで見て下さい。
僕たちはもう帰りたい

7つ目の作品は「僕たちはもう帰りたい」です。
年齢も、性格も、立場も全く異なる人々、でも共通するのが「もう帰りたい」といつも願っていること、そんな主人公たちの物語を描いた作品です。
例えば「なぜ無意味な残業に付き合わされる?」「上司の無茶振りにどうやって対処する?」「妻でも母でもない私の時間が欲しい」など、どの悩みもリアルで、彼らが行き着く先は「スナックもう帰りたい」というお店です。お店のママは一見あまのじゃくに見えるが、ふとした一言が大切なことを気づかせてくれ、その後の彼らの行動を変えていきます。リアルだけど読んだ後は心が少し軽くなる、不思議なお話です。
この作品の個人的なおすすめポイントは以下の2点です。
少し重めの話だが心が動かされ前向きになれる
スナックのママの言葉がしみる
この漫画は、Twitterで20万人のフォロワーを誇る漫画家のさわぐちけいすけが手がけており、さらに「働き方改革の旗手」と言われる青野慶久さんが社長を務める「サイボウズ(株)」に日々寄せられるリアルな悩みを集約して、一年以上をかけてエピソードを丁寧に漫画化していったそうです。
そういった背景もあり、少し重めの話が多いが、心が動かされ、読んだ後は前向きになれる作品に仕上がっています。
オムニバス形式に様々な悩みをもった主人公の物語が描かれていますが、毎回登場する、スナックのママの一言は、とても心にしみる言葉が多く、主人公のその後の行動を変えていくのも面白いポイントです。
日々、社畜として仕事に翻弄されている人に、ぜひとも読んで欲しい作品です。
ゾン100〜ソンビになるまでにしたい100のこと

8つ目の作品は「ゾン100〜ソンビになるまでにしたい100のこと」です。
ブラック企業に勤めて3年の、主人公・天道輝は、自分の部屋でゾンビ映画を見て「会社に比べりゃ天国だよな」と呟いていた。
しかし、ある日の朝、いつものように出社しようとしていた彼が見たものは、ゾンビであふれかえっている街の姿であった。ゾンビがどんどん増殖する中、社畜として生きてきた輝がどう生きるのか!?を描いた作品です。
この作品の個人的なおすすめポイントは以下の2点です。
ゾンビだらけの世界で生き生きとしている主人公が魅力的
ゾンビ物なのに内容がポジティブで新しくて斬新
この漫画は、これまで紹介してきた社畜漫画とは違い、リアルな社畜生活を舞台にしたストーリーではなく、社畜生活を送ってきた主人公が、突然、ゾンビだらけの世界で頑張って生き抜くというお話です。
映画『カメラを止めるな!』で有名な、上田慎一郎監督が「こんな“ゾンビもの”を待っていた。読むべし!」と激推しするほどの作品です。
とにかく主人公がポジティブで、ゾンビがはびこる世界にもかかわらず、「ゾンビがなんぼのもんじゃい」と言わんばかりに、生き生きと行動する様が見ていて非常に爽快で面白いです。
また、ゾンビ物というジャンルにしては、内容がポジティブなのが斬新で新しいです。ゾンビ物はグロくて苦手という人にもおすすめできる作品です。
以上、「おすすめのおもしろ社畜漫画」になります。もし気になる作品がありましたら気晴らしに見てみて下さい。
記事は以上になります。
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