最近では、「イクメン」という言葉が広く使われるようになり、特に若い世代において、男性の積極的な育児参加の意識が高まってきました。
こういった流れから、子供が生まれた世の男性たちは、育休の取得を検討している人が多いのではないでしょうか?
しかし
「最近イクメンという言葉をよく耳にするけど実際の現状ってどうなの?」
「男性は育児休暇をどれくらい取れるもんなの?」
などなど、男性の育休についてあまり良く知らないという人もいるかと思います。
なので、今回は「男性の育児休暇」について詳しく紹介していきます。
当記事の内容はこちら
男性の育休取得の現状とは?
育休取得によるメリット・デメリット
男性が育休を取得するならいつから?どれくらいの期間?
男性の育休取得の現状
近年になって「イクメン」という言葉が浸透してきたことで、男性の育児参加がしやすい環境が整ってきていると感じる人も多いのではないでしょうか。
しかしながら、実際のところはどうなのでしょう?
まず最初に、現在の「男性の育休取得の現状」について書いていきます。
結論から言いますと、男性の育休取得の現状について言える大きな特徴が2つあります。
それが
男性の育休取得率はまだまだ低い
多くの男性は育児休暇を取りたいと望んでいる
これら2つです。
ではでは、これら2つを詳しく説明していきますね。
男性の育休取得率はまだまだ低い
1つ目の特徴が「男性の育休取得率はまだまだ低い」ということです。
最近イクメンブームということで、多くの男性が育休を取得していると思われがちなのですが、実はそんなことないんです。
下記のグラフは、厚生労働省が令和元年7に発表した「男性の育児休業の取得状況」に掲載されている、育児休業取得率の推移になります。
引用元:厚生労働省「男性の育児休業の取得状況と取得促進のための取り組み」
このグラフを見ると、平成30年(2018年)の育休取得率は、女性が82.2%なのに対して
男性は6.6%と、はるかに低い結果なのが分かりますよね。
確かに、男性の取得率も年々増加傾向にあるのですが、イクメンブームと言われるほど、取得率が高いとは言えないのが現状なんです。
でも、どうしてここまで男性の育休取得率が低いのでしょうか?
主な理由は3つあります。
それが
職場が人手不足で忙しい
会社の育休制度が不十分
職場が育休を取得できる雰囲気ではない
これら3つです。
昔は、「男性が働いて家族を養っていかなくてはいけない」という意識が強く、そういった考え方が未だに根付いている会社が少なくなかったり
職場が忙しすぎて、「周りを見ているととても育休を取れる雰囲気ではない」というのもあったりで、男性の育休取得率が低迷してしまっているみたいですね。
ただ、こういった男性の育休取得の低迷を打開しようと、政府が進めているプロジェクトがあります。
それが「男性の育児休業取得促進事業」、別名「イクメンプロジェクト」と呼ばれているものです。
この「イクメンプロジェクト」、具体的にどういったものかと言うと
政府が主となり、2020年度までに男性の育休取得率を、2018年度の約2倍の13%まで引き上げようといったものなんです。
このプロジェクトが本格的に進められていけば、育児を手伝って欲しい女性にとっても、進んで育休を取得した男性にとっても後押しとなりそうですよね。
多くの男性は育児休暇を取りたいと望んでいる
2つ目めの特徴が「多くの男性は育児休暇を取りたいと望んでいる」ということです。
1つ目でも書きましたが、職場の忙しさや雰囲気から育休を取ることができないという現状が多いなか
「できることなら育休をとって子育てを手伝いたい」
こう思っている男性が非常に多いんです。
公益財団法人日本生産性本部が行った「2017年度 新入社員 秋の意識調査」というアンケートによると
男性新入社員のうち約80%が
「子供が生まれたときには育児休暇を取得したい」
と回答したそうです。
これを見ると、昨今の多くの男性達が育児休暇を取りたがっているかが分かりますよね。
育休取得によるメリットとデメリットとは?
前述では、男性の育休取得の現状について説明しましたが
実際に男性が育児休暇を取得すると具体的に何がいいのか?
ここでは、「男性の育休取得によるメリット・デメリット」について書いていきます。
まず早速、育休取得によるメリットですが
主なメリットは以下の4つです。
「育休取得のメリット」
妻の心身のケアをサポートすることができる
父親として自覚が高まる
育休後の働くことへのモチベーションが高まる
自分磨きのチャンスになる
妻の心身のケアとサポートをすることができる
1つ目のメリットは「妻の心身のケアとサポートをすることができる」ことです。
新生児期の母親の負担というものは、心身ともにかなりきついです。
そんな時期に、男性のサポートがあるとないのとではかなり変わってきます。
産後の女性は「マタニティブルー」と呼ばれる、いわゆる抑うつ症状になりやすく
ひどくなってしまうと自殺をしてしまう人もいる程なんです。
なので、男性が育休を取得して妻をサポートするというのは非常に重要なことなんです。
父親としての自覚が高まる
2つ目のメリットは「父親としての自覚が高まる」ことです。
母親よりも子供と接する時間が少ないぶん、どうしても子供に対して父親としての自覚が芽生えにくくなってしまいます。
しかし、育休を取得して早いうちから子供と直に接することにより、父親としての自覚が芽生えやすくなります。
自覚が芽生えると
「子供のために頑張って働かなければ」
といった感じに、仕事へのモチベーション向上にも繋がりやすくなります。
育休後の働くことへのモチベーションが高まる
3つ目のメリットが「育休後の働くことへのモチベーションが高まる」ことです。
これは具体的にどういうことなのか?
育休を取らず、積極的に子育てに参加しない男性というのは
「育児をするよりも働く方が辛い」
こう考える人が少なくありません。
しかし、育休を取って実際に育児の体験をしてみると
「育児をしているよりも働いていた方が楽だ」
こういった考えに変わる人が多いんです。
なので、実際に育児の大変さを理解することで、「仕事をする方が楽だ」という思考を持つことができ、それが仕事する上でのモチーベーションに繋がるんです。
自分磨きのチャンスである
4つ目が「自分磨きのチャンスである」ことです。
育児のサポートというと、会社とは何の関係もないことと考えがちですが、じつはそんなことないんです。
育児をすることによって、会社で必要な「マネジメントスキル」を磨くことができるんです。
具体的には
・「効率の良い家事の進め方」
・「家族の健康リスク管理」
・「思い通りいかないことに対するストレス対処」
などなど、育児をすることにより、これらのマネジメントスキルを学ぶことができ自分磨きにも繋げられるんです。
では、次に「育休取得によるデメリット」を説明していきます。
主なデメリットは以下の4つです。
「育休取得のデメリット」
収入が減ってしまう
マタニティハラスメントが起こる可能性がある
出世に影響する可能性がある
職場内の負担が増えてしまう
収入が減ってしまう
1つ目のデメリットが「収入が減ってしまう」ことです。
育児休暇を有給休暇としている場合は、残業代が入らない程度で、そこまで収入が減ることはありませんが
長期休暇として育児休暇を取った場合は、収入がガクッと減ってしまいます。
手当が出る場合が多いのですが、それでも今までよりも収入が減ることに変わりはないので、生活費が足りなくならないかを考慮する必要があります。
パタニティハラスメントが起こる可能性がある
2つ目のデメリットが「パタニティハラスメントが起こる可能性がある」ことです。
パタニティハラスメントとは、簡単に言うと「育児休暇を取得した人に対する嫌がらせ」のことで
日本労働組合が発表した「パタハラに関する調査」によると、育児休暇を取得した10人に1人が、大なり小なり、パタハラの被害にあっていると言っています。
2019年1月に事業主に対して、パタハラに対する防止措置をするよう義務化しましたが、それが浸透するのにも時間がかかります。
なので、今すぐに被害がなくなるというのは難しいかと思われます。
出世に影響する可能性がある
3つ目のデメリットが「出世に影響する可能性がある」ことです。
これに関しては、育児休暇を取得する期間にもよりますが、長期の間、育休を取得することによって、そのぶん会社での仕事の経験を積むことができません。
なので出世にも影響する可能性もあります。
職場内の負担が増えてしまう
4つ目のデメリットは「職場内の負担が増えてしまう」ことです。
育児休暇を取得してしまうと、当然今まで自分がしてきた仕事を、他の職場内の誰かにお願いしなくてはいけなくなります。
職場内の負担が増えることによって悪影響を及ぼす可能性もあるので、その辺も考慮しましょう。
男性が育休を取得するならいつから?どれくらいの期間?
最後に、男性がもし育休を取得するなら
「いつから取得できる?」
「どれくらいの期間?」
意外と知らない人も多い、これらに疑問について説明していきます。
まず最初に言っておきたいのが育休というのは法律で定められており、女性に限らず、男性も取得できる権利を持っているということです。
基本条文では
育児のために休業することを希望する従業員(日雇い従業員を除く)であって、1歳に満たない子と同居し、養育する者は、この規則に定めるところにより育児休業をすることができる。
このように書かれています。
もう少し、細かい条件を説明すると、以下の通りです。
・「同一事業主に1年以上雇用されている」
・「子供が1歳未満である」
・「子供が1歳になった後も引き続き雇用予定」
・「子供が1歳6ヶ月になる日の前日までに雇用契約が終了する予定ではない」
・「週3日以上勤務している」
これらの条件を満たしていれば、正社員でなくても、契約社員やアルバイト、派遣社員でも育休を取得することができるんです。
男性の育休はいつから取得できるのか?
では、「男性の育休はいつから取得することができるのか?」
育児休暇自体は子供が1歳未満であればいつでも取得できるのですが
育児休暇を取得する場合には事前の申請が必要になってきます。
なので、もし出産してから育休を取りたい場合は、「出産予定日」を育休取得開始日として、事前申請をするようにしましょう。
「でも出産予定日がずれた場合はどうなるの?」
そういった場合でも大丈夫です。後から開始日を変更することが可能です。
予定日に子供が生まれてくる可能性は10%未満と言われているくらい、出産予定日はずれれるものですので、対応してもらえます。
ただし、出産予定日が早まって育休が早まった場合、引き継ぎなどで周りに迷惑が掛からないように準備だけはしておきましょう。
男性の育休はどのくらいの期間とることができるのか?
次に「男性の育休はどのくらいの期間とることができるのか?」ですが
結論から言うと
・「育休の終了日は、子供の1歳の誕生の前日まで」
・「最長1年間の育休が取得可能(出産と同時に育休を取得した場合)」
です。
この期間の中で、自分で取得期間を決めて申請するようにします。
最後に
これまで「男性育休の現状」「メリット・デメリット」「育休開始日と期間」について説明してきましたが
個人的には、妻をサポートするためにも、男性の育休はできることなら取得したほうがいいと思っています。
ですが、前述でも言ったように、男性の育休はまだまだ浸透途中の状態で、会社によってはメリットよりもデメリットの方が大きくなってしまうこともあります。
なので、今の自分の置かれている状況をしっかり把握して、ここでも書いたメリットとデメリットを考慮しながら取得するのが望ましいと思います。
記事は以上になります。
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