長時間労働、残業代未払い、セクハラ・パワハラなどブラック企業と呼ばれる会社は世の中にたくさん存在します。
そんなブラック企業が増え続けることが問題視され、昨今では「働き方改革」など、国を中心としたブラック企業対策が本格的に進められていますが、正直なところ、ブラック企業は一向になくなる気配がしません。
そこで今回は、「どうしてブラック企業ばかり生まれるのか?」「どうしてブラック企業はなくならないのか?」この2つの理由と原因についてお話ししていこうと思います。
ブラック企業とは?
まず最初に、ブラック企業とは具体的にどういった企業なのか?について話しておきます。
ブラック企業という言葉は、インターネット上で言われるようになった「造語」であり、じつは明確な定義というものはありません。
ですが、一般的にブラック企業と言われる企業の特徴はいくつかあります。
その代表的な特徴というのが、以下の7つです。
セクハラ、パワハラ、モラハラが横行している
30~40代の社員が少なく、人の入れ替わりが激しい
サービス残業が当たり前
暴言や嫌がらせで自主退職が多い
過労死やうつ病で自殺者が出ている
最初は極端に優しく接してくる
派遣社員・契約社員を多く雇っている
これらの特徴のうち、いずれかに該当するようならばブラック企業の可能性が高いです。
「ブラック企業の特徴」については以下の記事に詳しくまとめてあるので、よかったらご参考下さい。
ブラック企ばかりが生まれる6つの理由

ではそもそも、どうしてブラック企業と呼ばれる企業ばかりが生まれてしまうのでしようか?
結論から言うと、ブラック企業ばかり生まれてしまう根本的な理由というのは、以下の6つです。
ブラック企業の基準は人によって差があるから
資本主義である以上、利益ばかりが求められるため
少子高齢化が進んでいるため
経済のブローバル化が進んでいるため
産業の構造的な問題
社内ニートが増えているから
では、それぞれを詳しく説明していきますね。
ブラック企業の基準は人によって差があるから
1つ目の理由は「ブラック企業の基準は人よって差があるから」です。
ブラック企業が生まれる理由として、企業や経済的な問題を想像しがちですが、必ずしもそうではないということを、最初にお話ししておきます。
前述のブラック企業とは?でも話しましたが、ブラック企業には明確な定義は存在しません。
極端な話、ホワイト企業だと言われている会社でも、人によってはブラック企業だと感じる場合もあるということです。もちろんその逆もあります。
給料で言えば、低賃金だと感じる人もいれば、妥当な賃金だと感じる人もいます。
労働時間に関しても、残業50時間を超えるとブラック企業だと感じる人もいれば、50時間程度の残業ならば問題ないと感じる人もいます。
つまり、ブラック企業だと判断する基準というのは、人の感じ方によって変わってくるため、給与、労働時間、労働環境など、全員を満足させる100%のホワイト企業は存在しないわけです。
なので、企業や経済の問題を差し置いても、ブラック企業というのは、人の尺度次第で必ず生まれてしまうわけなんです。
資本主義である以上、利益ばかりが求められるため
2つ目の理由は「資本主義である以上、利益ばかりが求められるため」です。
これは、日本が資本主義という形態をとっている限りは、どうしようもない問題です。
資本主義である以上、経営者は会社に利益を生み出さなければいけません。
では、どうすれば手っ取り早く利益を出すことができるか?経営者の多くは、経費を削減することによって利益を上げようとします。
経費を削減するためには、労働者の給与を下げたり、一人当たりの労働時間を増やしたりするわけです。こうしてブラック企業が生まれてしまうわけなんです。
生産性を上げるためのアイデアを出したり、仕組みを作ることを第一に考えれば、今よりもブラック企業を減らすことができるかもしれませが、楽して利益を出すことを優先してしまう経営者の方が多いため、このような構図が出来上がってしまうんです。
少子高齢化が進んでいるため
3つ目の理由は「少子高齢化が進んでいるため」です。
現在の日本が少子高齢化が進んでおり、約50年後までに20~64歳までの就業人口が大幅に減少し、高齢化率は10%程度上昇すると言われています。
では、少子高齢化が進むとどうしてブラック企業が生まれるのか?
高齢者ばかりになることによって、年金や医療費などの出費が増え、就業者が減ることによって、健康保険料や年金によって国に支払われるお金が減ります。
そうなると、国としては、入ってくるお金よりも、出費の方が多くなり赤字になってしまうわけです。
その結果、国は健康保険料などの企業にかかる負担をさらに増やざるを得なくなるわけです。
具体的には
健康保険料の引き上げ
年金保険料率の引き上げ
40歳以上の介護保険料の徴収
これら3つの負担により、企業の負担も増え、給料の引き下げや長時間労働など、ブラックな条件を強いらなければいけないというわけなんです。
経済のブローバル化が進んでいるため
4つ目の理由は「グローバル化が進んでいるため」です。
中国などの新興国の企業が、世界中に進出したりと、現在ではグローバル化が加速していってます。
日本においても、様々な大企業が世界中に生産地を増やしたりと、決して例外とは言えません。
しかし、日本でのグローバル化がどんどん進むと、以下の2つのことが起きます。
日本で勢力を伸ばした海外企業によって国内企業の業績が落ちる
海外に力を注ぐため国内での採用が増えない
日本で勢力を伸ばした、代表的な海外企業の一つとして挙げられるのが「amazon」です。ヤマダ電機、イトーヨーカドー、三越伊勢丹を始め、数多くの日本の大企業が、amazonの進出によって業績を大幅に落としています。
そうすると、大企業でさえもブラック企業と化してしまうというわけなんです。
産業の構造的な問題
5つ目の理由が「産業の構造的な問題」です。
日本が行なっている産業には様々な業種がありますが、産業の構造的な問題で、どうしても利益を出すのが難しい業種というものが出てきます。
商品の差別化が難しく、仕方なく低価格化戦力を取らざるを得なくなるため、コスト削減が余儀無くされてしまいます。
そうすると、そのツケが従業員一人一人に回ってきて、長時間労働や低賃金を強いられてしまうわけです。
この問題に関しては、企業だけではどうにもならないことも多く、政府が介入して、法律などで規制をかける必要も出てきます。
一般的に、証券会社、銀行などの金融業界や、不動産業業界は構造的にブラックな業界だと言われています。
社内ニートが増えているから
6つ目の理由は「社内ニートが増えているから」です。
社内ニートとは、会社には出社するけど、ろくに仕事を与えられず暇な人のこと言います。
じつはこの社内ニート、政府の調査によると、2011年の段階で、全体の8.5%、約465万もいるそうです。
仕事をまともにできない社内ニートが増えると、企業の経営にもダメージとなり、他の従業員に、長時間労働や低賃金などのしわ寄せが来てしまうわけです。
「社内ニート」に関しては、以下の記事に詳しくまとめたので、よかったらご参考下さい。
ブラック企業がなくならない4つの原因

ブラック企業による不祥事が問題視され、最近では「働き方改革」をはじめとして、政府を中心としブラック企業対策が本格的に進められています。
しかし、それでも正直ブラック企業はなかなかなくなりません。
どうしてブラック企業は一向になくならないのか?その原因についてお話ししていきます。
結論を言うと、ブラック企業がなかなかなくならない大きな原因は、以下の4つです。
縦社会の文化が根付いてしまっているため
一つの会社に過度に依存している人が多いから
日本人は真面目で責任感の強い人ばかりだから
ブラック企業に対するベナルティが軽すぎる
では、それぞれ詳しく説明していきますね。
縦社会の文化が根付いてしまっているため
1つ目の原因は「縦社会の文化が根付いてしまっているため」です。
最近では少しずつ変わってきていると言われていますが、昔から日本の企業は縦社会で、それが今でも根付いてしまっています。
「上司は神様である」「上司の言うことには逆らえない」など、上から言われた仕事に対しては文句を言わず、黙々とこなさなければいけないという企業は多いです。
目的遂行に特化した横社会とは違い、縦社会だと無駄な作業が生まれたり、感情的になりやすい社員も多かったりと、長時間労働やパワハラが起きやすい状態なんです。
一つの会社に過度に依存している人が多いから
2つ目の原因は「一つの会社に過度に依存ししている人が多いから」です。
ブラック企業で働いて、心身ともにボロボロになっているのにもかかわらず、会社を辞めることができずに、今の会社だけに依存してしまっている人が多かったりします。
そういった人の多くが
「今の会社を辞めてしまっては終わりだ」
「転職したところで今よりいい会社は見つかりっこない」
こういった風に「今の会社を辞めてはいけない」と考えてしまっています。
そのため、ブラックな会社と分かりながらも、ずるずると今の会社で働き続けてしまい、その結果、ブラック企業は一向になくならないわけなんです。
一言言わせてもらうと、こういう人はめちゃくちゃ損をしています。今よりも良い会社なんてのは探せばいくらでも見つかります。
少し勇気を出して行動するだけで、今の社畜生活から脱出できるかもしれないのに本当にもったいないと思います。
日本人は真面目で責任感の強い人ばかりだから
3つ目の原因は「日本人は真面目で責任感が強い人ばかりだから」です。
よく日本人は真面目なんて言われますが、それは仕事においても同じです。
「上からの指示には文句を言ってはいけない」「ノルマを達成できなかったからもっと頑張らなければ」こういった、真面目で責任感が強いという特徴が、ブラック企業を助長させているんです。
また、責任感が強いゆえに、「自分が辞めてしまっては周りに迷惑がかかる」と思い込んでしまい、なかなかブラック企業を辞めることができない人が多かったりします。
ブラック企業は、そんな責任感の強い従業員を、自社の利益のために利用することしか考えていません。
ブラック企業に対するベナルティが軽すぎる
4つ目の原因は「ブラック企業に対するペナルティが軽すぎる」ことです。
例えば、企業が労働基準法に違反する行為をしていると、労働基準監督署による調査が入り、行為が発覚すると企業に対してペナルティが課せられます。
しかしそのほとんどが、是正勧告だけで終わってしまいます。
ニュースになって一般公表されるかもケースもありますが、それでもいずれは風化していき、ブラック企業が撲滅されるまでには至りません。
今の法律では、ブラック企業に対するペナルティが弱すぎるので、それではいつまで経ってもなくならないです。
職場がブラックだと感じたら絶対にやっておくべきこと
最後に、もしも今の職場がブラック企業だと感じたのなら、将来的に転職する、しないに関わらず、絶対にやっておくべきことがあります。
それは
職場からいつでも逃げられる準備をしておくこと
です。
でも、具体的には何をすればいいのか?それはすごく簡単で
だけでもしておくこと 『転職サイト』に登録
です。その大きな理由は
ストレスが限界に達してから転職サイトに登録するのでは遅すぎるから
逃げ道があると分かると精神的にグッと楽になるから
この2つです。
僕も過去、2度の転職経験があるのですが、ストレスが溜まってくると本当に登録する気力すらなくなってきます。
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